2017年10月31日火曜日

秋月の6V ACアダプタにコモン・モード・チョークを入れてみる

理屈はよくわかっていないんだが、コモン・モード・チョークを入れるとノイズが明らかに減った。


使ったコモン・モード・チョークはサトー電気で買った「SCHAFFNER EV20-1.0-02-3M9」というもので、DATASHEETによると

L nominal (±30%) 3.9mH
DC resistance R 168mΩ
Ratede current I(50℃) 1.0A

となっている。1A流すとやばそうだが半分の500mAぐらいまでは大丈夫だろう。

入力側で1.0uFの積セラでデカップリングするかどうかも比較してみた。

出力電圧:5.87V

47Ω×3の負荷抵抗(約383mA) 1.0uFのデカップリングなし


47Ω×3の負荷抵抗(約383mA) 1.0uFのデカップリングあり

デカップリングした方が少しだけノイズが減ってるようだ。

NJM2396で5Vに安定化




出力電圧:4.92V

47Ω×3の負荷抵抗(約319mA) 1.0uFのデカップリングなし

47Ω×3の負荷抵抗(約319mA) 1.0uFのデカップリングあり

安定化後はデカップリングした方がいいのかどうかわからない。

NJM2396で5Vに安定化する前は、5.87Vで期待する6Vに対して2.2%の誤差、安定化すると4.92Vで5Vに対して1.6%の誤差。

ほとんど変わらないし、安定化した方がノイズが増えてるようにも見える。

と、いうことは5VのACアダプタにコモン・モード・チョークを入れれば5Vの安定化回路はなくてもいいことになる。

試しに手持ちの5VのACアダプタで同じ条件で負荷をかけるとまともに電圧が出なかった。

秋月で売っている同じシリーズの5V ACアダプタにしておけばよかったかな(^q^;

でもまあ、今回は他の6V以上のACアダプタも使えるようにNJM2396で降圧&安定化する方向で考えます。

2017年10月30日月曜日

秋月の6V ACアダプタと5V LDOのNJM2396で5V電源を作る実験

5V電源用に秋月の6VACアダプタ「超小型スイッチングACアダプター6V1.8A 100V~240V GF12-US0618」を仕入れたのでテストしてみた。

5V LDOのNJM2396はドロップ電圧が最大0.5Vとなっているので、元の電源電圧は6Vぐらいがちょうどいい。

GF12-US061Bの出力チェック



47Ωの酸金を負荷抵抗としてテスタのDCモードで電圧測定し、オシロで出力変動を見てみた。

47Ω負荷(約128mA)

電圧:6.07V


出力ノイズの大きさが変動するので、大きくなるあたりでトリガをかけて測定。以前手持ちのACアダプタをチェックしたものと比べると、スイッチング・ノイズが大きいようだ。

ノイズの周波数はメモリで読み取って32kHz程度。

コンデンサでデカップリングしてみてノイズが改善されるかチェックした。

47Ω負荷(約128mA) デカップリング(0.1uF積セラ+1000uFアルミ電解)

デカップリングすると多少はノイズは低減される。

47Ωの抵抗を3本並列にして負荷を掛けてチェックした。


47Ω×3負荷(約383mA) デカップリング(0.1uF積セラ+1000uFアルミ電解)

電圧:6.02V


負荷を重くすると、ノイズが多くなり、周波数も高くなっている(約50kHz)。

このACアダプタは小さくて値段も安い(650円)が、ノイズは多い方かな?

DCレベルの電圧変動は6.07V→6.02Vとあまり変動しない。

NJM2396で実験


回路図

ブレッドボード図


まずは、自作の可変両電源で出力を6Vにして測定。可変両電源はLM317/LM337で安定化し、電池電源で使っているのでノイズは少ない。

可変両電源 47Ωx3負荷(約319mA)

入力電圧:5.64V 出力電圧:4.89V


負荷が重くなると入力電圧/出力電圧とも低下している。ノイズは少ない。

6V ACアダプタを電源としてチェック。


6V ACアダプタ 47Ω×3負荷(約319mA)

入力電圧:5.86V 出力電圧:4.89V


出力は可変両電源の時と同じ4.89V出力されている。安定化しても相変わらずノイズは多い。

試しに6V側に100uFのOSコンと10uHのインダクタを入れて測定。


ノイズは少しだけ低減されるかな。

2017年10月28日土曜日

Tr回路の実験 エミッタ接地+エミッタフォロワ その2

前回シミュレーションしたエミッタ接地+エミッタフォロワの回路をブレッドボードで実験してみた。

回路図

負荷抵抗RLは100Ωだとクリップのようすがわかりにくかったので、68Ω、100Ω、470Ωにして実験してみた。

ブレッドボード図


入出力


AD9833ファンクションジェネレータジェネレーターのBypass出力を入力した。実験回路の電源電圧は+8.98V。

RL:470Ω

ch1:入力 ch2:出力

入力が580mVp-pで出力は1.360Vp-p。増幅率は1.360V / 580mV = 2.43(7.7dB)で、シミュレーションでは2.7だったのでエミッタフォロワ単体の時と同様、出力の振幅はシミュレーションよりやや小さい。

RL:100Ω

ch1:入力 ch2:出力

出力は-500mVあたりでつぶれている。

RL:68Ω

ch1:入力 ch2:出力

出力は-350mVあたりではっきりとクリップしている。

エミッタフォロワのベース電位Vb


RL:470Ω

ベースの電位はオシロの表示値[V]で3.468V。シミュレーションでも約3.5Vだった。

ベース電位の振幅は1.4Vp-pで、シミュレーションでは1.6Vp-pだったので少し小さい。

RL:100Ω

RL:68Ω

負荷抵抗を小さくしても基準となる電位は変わらないが、68Ωのときはエミッタフォロワのベースの波形も若干歪んでいる。シミュレーションでは歪んでなかった。

エミッタフォロワのエミッタ電位Ve


RL:470Ω

エミッタの電位はオシロの表示値[V]で2.767V。シミュレーションでは約2.75Vだった。

RL:100Ω

RL:68Ω

負荷抵抗が小さくなると下側がクリップするが、基準電位はオシロのマス目で読みとって2.7V前後でほとんど変わっていない。

周波数特性(高域側)


AD9833ファンクションジェネレータのBypass出力で周波数を変えて測定した。負荷抵抗RLは470Ω。電源電圧8.97V。


周波数が1kHzのとき7.7dBだったので、これを基準とすると-3dBのポイントは4.7dBで2MHzよし少し上あたりになる。

シミュレーションでは怪しい周波数特性で-3dBのポイントは300kHzあたりになっていたので、実験のほうが良い結果となった

シミュレーションの仕方を何か間違えていると思うがよくわからない(@@;

上記回路図で、NPNトランジスタを2SC1815ではなくデフォルトのNPNでシミュレーションしてみると


となるので、2SC1815のModelデータが怪しそうですが…

また、エミッタ接地単体のときは-3dBのポイントは1MHz付近だったので単体のときより周波数で倍ぐらいよくなっている

測定値

f(kHz) in(mVp-p) out(mVp-p) Av Av(dB)
100 568 1360 2.394366197 7.583811453
200 576 1352 2.347222222 7.411084164
300 576 1328 2.305555556 7.255511832
400 568 1296 2.281690141 7.165133316
500 560 1280 2.285714286 7.180438853
600 560 1256 2.242857143 7.016032248
700 552 1232 2.231884058 6.973432602
800 544 1200 2.205882353 6.871646927
900 536 1152 2.149253731 6.645753788
1000 528 1120 2.121212121 6.531682003
2000 416 760 1.826923077 5.234405233
3000 312 480 1.538461538 3.741732867
4000 256 352 1.375 2.766053963

周波数特性(低域側)


低域側はWaveGene+WaveSpectraでスペクトルを見てみた。

電源電圧8.97V 負荷抵抗RL:470Ω

WaveSpectraのFFTの設定は、サンプルデータ数:32768、窓関数:なし(矩形)

オーディオ・インターフェイスの入力モードはGuitarモード(1MΩ)


-3dBのポイントは35Hzあたり。シミュレーションでは500Ωの負荷で30Hz弱だったのでまあまあ同じぐらいだろう。

負荷抵抗RLとC2で構成されるLPFのカットオフ周波数は

fc = 1 / (2 * π * 470 * 10uF) ≒ 33.9Hz

ステップ応答


矩形波だけのファンクションジェネレータで100kHz/1Vp-pの矩形波を出力して測定した。

電源電圧8.97V 負荷抵抗RL:470Ω


ch1:入力 ch2:出力

シミュレーションではあやしい応答だったが、実験では普通の応答。電位も負側にずれることなくGNDレベルで落ち着いている。

Rise Time:180ns、Fall Time:200nsで、エミッタ接地単体のときより応答速度はよくなっている。(エミッタ接地単体のときはRise Timeはだいたい500nsだった)

使ったトランジスタの特性


AVRトランジスターテスターで特性を測ってみた。

Q1(エミッタフォロワ用)
2SC1815-Y
B=164
Vf=710mV

Q2(エミッタ接地用)
2SC1815-Y
B=163
Vf=701mV

メモ:


ステップ応答を見る時、発振しているような波形が見られた。

エミッタフォロワのコレクタに入れている積セラのデカップリング・コンデンサをコレクタの隣の穴に挿すようにしたら良くなったように見えたが、その後元に戻しても発振波形が出なくなった。

ブレボだとなんか不安だけど、ユニバーサル基板でも回路を組むのはそれなりに時間と気力がいるので悩むところです。

2017年10月25日水曜日

POTx8 Launch Box 基板 はんだ付け完了

部品面

ハンダ面

接続

Test Program (mbed)
https://os.mbed.com/users/ryood/code/Nucleo_MCP3008_Test/ Revision:3

SPI通信状態


基板のSPI INで測定。POTはすべて0側に回しきっている。


ch1:MISO ch2:SCK


ch1:MOSI ch2:SCK


ch1:CS1 ch2:SCK


ch1:CS2 ch2:SCK


ch1:CS3 ch2:SCK

2017年10月24日火曜日

Tr回路の実験 エミッタ接地+エミッタフォロワ

エミッタ接地回路とエミッタフォロワを組み合わせて、電圧増幅と電流増幅を行う。

シミュレーション回路図

定数は以前実験した回路のもの(エミッタ接地エミッタフォロワ)だが、エミッタ接地(Q2)のコレクタ出力をACカップリングせずにエミッタフォロワ(Q1)のベース入力にそのまま直結している。

電圧増幅は約3倍で、負荷が500Ω程度で出力がクリップすることが予想される。

入出力


入力は0.6Vp-p(AD9833の出力を想定)の単電源波形のサイン波。負荷抵抗を100Ω~500Ωでパラメータ解析してみた。


シミュレーションでは100Ωのとき(緑色)は出力がクリップし、200Ω以上では振幅が少し小さくなっているもののクリップはしていない。

エミッタフォロワ単体では4Vp-pの入力で実験していたが、0.6Vp-pの入力を電圧増幅段のエミッタ接地回路で約3倍に増幅すると1.6Vp-p(概算では0.6Vp-p × 3 = 約1.8Vp-p)に振幅が小さくなっているので、高負荷でもクリップしにくくなっているんだと思う。

クリップしない場合の増幅率は1.6Vp-p / 0.6Vp-p ≒ 2.7倍。

エミッタフォロワのベース電位



エミッタフォロワのQ2のベース電位は約3.5Vで、ここでは信号はクリップしていない。概算だと1段目のエミッタ接地回路のコレクタ電流=エミッタ電流を1mA流すことにしているので、Vbの電位は9V - (1mA × 6kΩ) = 3V。

振幅は、ベース電位でもだいたい4.3V - 2.7V ≒ 1.6Vp-pになっている。

エミッタフォロワのエミッタ電位



エミッタフォロワのエミッタ電位は約2.75Vでベース電位より約0.75V低くなっている。ベース電位はクリップしていなかったが、エミッタ電位は負荷が100Ω(緑色)の時クリップしている。

周波数特性



AC解析してみると、負荷が500Ω(マゼンタ)の時、-3dBのポイントは低域で30Hz弱、高域で300kHz強になっている。エミッタ接地単体の時は7MHz付近になっていたので、かなり帯域が制限されている。

また、30MHz以上でかえって減衰が少なくなっている。何が影響しているのかは不明。実験で確認しようにもこんな高い周波数の測定環境は作れません(@@;

ステップ応答


100kHz/1Vp-pの矩形波を入力、負荷抵抗を1kΩにしてシミュレーションしてみた。


エミッタフォロワ、エミッタ接地の実験と比べてかなりいびつな波形になって電位が負側に0.6V偏っている。

次回は実験編の予定です。

2017年10月23日月曜日

POTx8 Launch Box 基板設計

回路図

基板図

部品並べ

POTx16 Pizza Boxのサブセットみたいなものなので、あんまり面白みがないです(^q^;